2013年3月14日木曜日

07.アクティブ・スピーカーのこと

普通のスピーカーを鳴らすにはアンプ(増幅器)につなぐ必要がありますが、アクティブ・スピーカーは簡易アンプを内蔵しているので、ヘッドフォン端子や出力端子に接続するだけで音が出ます。 アンプを持たないPCに直接つなげるのはアクティブ・スピーカー(またはパワード・スピーカー)で、それに対し普通のスピーカーはパッシヴ・スピーカーと呼ばれるようになりました。

アクティブ・スピーカーはアンプを内蔵しているので電源が必要で、邪魔な電源アダプター付きのものや、100V電源を内部で直流に変換できるタイプや、ミニ・サイズならUSBバス・パワーでPCと連動して電源が供給されるものもあります。

液晶ディスプレイやノート・パソコンに内蔵されているスピーカーでも一応音は出ますが、オーディオとして音楽を聴くには適しません。 どんなに優れたDAC(デジタル・アナログ・コンバーター)をPCにつなごうと、最終的に音を出すのはスピーカーであり、それをちょっと良いものにするだけでも音はかなり変わります。

スピーカーの種類

ミニ・スピーカー: 
ノートブック・パソコンの脇にチョコンと置くのに丁度いいサイズで、USBバス・パワーで電源アダプターも不要です。
この手のスピーカーはどうしても低音不足になりますが、それでもディスプレイ内蔵スピーカーなどよりずっと良い音が出ます。 そんなに音にはこだわらず、大きなスピーカーを置きたくないという方向け。 これは千円ほどと、価格も安いものが多いです。


サブ・ウーファー付きスピーカー:
コンパクト・スピーカーだと低音不足になるし、大きなスピーカーだと場所をとるし・・・といった欠点を補うのがサブ・ウーファーですが、最近はサブ・ウーファー付きのものが結構出てきました。

サブ・ウーファー付きのスピーカーとしては80年代の終わり頃に BOSE (ボーズ)の出したのが最初だったと思いますが、当時は30万円くらいしてとても手が出ませんでした。

これは3,400円くらいですが、低音に関してはかなりの音が出ます。 サブ・ウーファーはモノラルなので立体感はあまり出ませんが、低音は回り込む性質があるので置き場所はPCデスクの下でも良く、セッティング次第ではヘタなミニ・コンポ以上の音が出せるでしょう。


 小型ブックシェルフ型:

ブックシェルフ型というのは本棚に入るサイズということで、かつては30cm、40cmウーファーの付いたものがザラにありましたが、これはPCの隣に置くことを考えているのでかなりコンパクトです。

本来オーディオ用のスピーカーはある程度離れたところに置くのが普通でしたが、PC用ともなるとすぐ目の前に置く訳ですから、当然音の出し方も変わってきます。

高音部を担当する小さなスピーカー・ユニットがツイーター、低音部を担当する大きなスピーカーがウーファーで、これは2ウェイ・スピーカーです。  大抵のスピーカーは、 バスレフ のポート(円い穴に見える部分)を備えていますが、これはスピーカーの背圧を利用して低音を増強する役目を果たしており、決して空気抜けの穴ではありません。


 ワイヤレス・スピーカー:

ワイヤーレス(ケーブル無し)ということで、普通のスピーカーより割高になりますが、PCから離れたところにも置けるし、ケーブルが無いというのは何かと便利です。
無線はパソコン用に Bluetooth(ブルートゥース)を使っているものが多く、大抵は充電池内蔵の一体型で、持ち運びにも便利になっています。


 サブ・ウーファー:

小型スピーカーの低音不足を補うためのもので、アンプやミニ・コンポにサブ・ウーファー用の出力端子があるものなら使えます。
大抵はモノラルで、アンプ内蔵のアクティブ・スピーカーとなっています。
前面に見えるのはバスレフのポートで、スピーカー・ユニットは大抵底に向けて付けられていて、四隅の脚の隙間から音を四方に分散させる形になっています。

低音は回り込む性質があり、音の定位は高音部を担当するツイーターによって決まるので、置き場所はそれほどシビアでなくてもそれらしく聴こえます。 机の下とか見えないところに置いて、小型スピーカーから重低音が鳴っている様に聴こえたらセッティング成功といえるでしょう。

スピーカーの構造

スピーカー・ユニットは前面だけでなく、背面にも同じ音圧の音が出ています。 ただし波形を見ると位相が180度ずれた負の形なので、両方が合わさると音が打ち消しあってしまうので、何らかの形で分けなければなりません。
スピーカーのエンクロージャー(箱)はその役目を果たしますが、狭い箱の中に閉じ込めると空気がバネのように働いて振動版が自由に動けず、こもった音になりがちです。 薄型スピーカーやミニ・スピーカーの音が安っぽいのは、ユニット自体が安物のこともありますが、背面の容積が充分に確保できないことから起ります。 薄型テレビなども映像が中心で、音の悪いものが多いですね。

密閉型:
スピーカー・ユニットの背面から出る音を閉じ込めてしまおうというやり方ですが、密閉型の場合ある程度の空気容量を確保しないとこもった様な音になるので、大型のものが多いです。 ヘッドフォンにも密閉型と開放型がありますが、それはどちらかというと周りへの配慮の方が多く、スピーカーで開放型にしようとすると壁や天井に埋め込む形になりますが、アパートなどでは隣から苦情が出るでしょう。

バスレフ型:
スピーカーの背圧を利用して、ダクト(筒)から一定周波数の低音を出し、小型スピーカーの低音不足を補おうというもの。 密閉型に比べるとエンクロージャーの容積を小さくできるので、大抵の小型スピーカーは何らかの形のダクトが付いています。

ドローン・コーン(パッシブ・ラジエーター)
マグネット・コイルなどの磁気回路を持たない、コーン(振動板)だけのユニットで、スピーカー・ユニットの背圧によりパッシブ(受身)に動くのでそう呼ばれます。 バスレフ型に比べ、内部の音がもれないとか、ポートの風切り音が出ないといったメリットがあり、最近の小型スピーカーでは再び使われるようになってきました。 ドローン・コーンだとイメージが悪いので、パッシブ・ラジエーターと呼ばれるようになっています。

バックロード・ホーン型:
スピーカー・ユニットの背面にラッパの様な長いホーン(角)を付けて、低音を鳴らそうという仕組み。 実際に長いホーンを付ける訳には行かないので、箱の中で迷路のように折りたたまれた形になっていることが多いです。
フロントロード・ホーンといってスピーカーの前面にホーンを付けるものもありますが、更に実用的ではありません。

スピーカーのエージングについて
エージング(aging, ageing)は人間なら「老化」や「歳をとる」ことですが、機械でいえば「慣らし運転」に当たります。

スピーカーやヘッドフォンは、買ったばかりの頃は期待していた音が出なくてガッカリすることがありますが、数十分でも鳴らしていると次第に良くなってくるものです。 更に何日か使っていると硬さがとれて、音に広がりや伸びやかさが感じられるようになってきますが、それはスピーカー・ユニットそのものが持っている性能が徐々に発揮されてくるからです。

スピーカーには色々な形がありますが、基本的な形はほとんど変わっていません。 振動版の後ろに円筒形の筒に巻かれたコイルがあり、その周りに円い磁石があって、その反発力と吸引力によって振動版を振るわせて音を出しています。
その振動版を支えている周囲の部分をエッジと呼びますが、エッジの硬さがとれてくると音も次第に滑らかになってくるという訳です。 スピーカーやヘッドフォンを評価する時は、最低でも数日くらい使ってからにすると良いでしょう。

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